年齢を重ねると、旅に出ることが少しずつ難しくなってきます。 体力の不安、経済的な事情、家族のこと。
若い頃のように、ふらりと電車に乗って遠くへ行く…そんな旅が、少し遠いものに感じられる日もあるかもしれません。
でも、だからといって「旅をあきらめる」必要はないと、私は思うのです。
旅とは、必ずしも移動することではなく、心が動く体験そのもの。 今いる場所にいながら、世界を感じ、記憶をたどり、想像を広げる。
そんな“行かない旅”が、私たちにはあるのです。
心で旅する5つの方法
1. Googleマップで世界を歩く
ストリートビューを使えば、世界中の街角を歩くことができます。
例えば、 昔訪れた古都の小道、憧れのパリのカフェ通り。
画面越しでも、あのときの風の匂いや、石畳の感触がよみがえるようです。
2. YouTubeで“世界の車窓”を楽しむ
「世界の街歩き」・「列車の旅」・「自然音」などの動画を流してみてください。
テレビの代わりに、静かに流れる風景を眺めるだけで、心がふっと旅立ちます。
3. 旅エッセイを読む
誰かの旅の記録を読むことで、自分の記憶や想像が刺激されます。
「この人はこんなふうに感じたんだ」と思うと、自分の中にも旅の感性がよみがえってくるのです。
4. 旅気分になれる音・香り・食
お気に入りのアロマを焚いて、旅館風の音楽を流し、レトルトのご当地グルメを味わう。
五感を使えば、家の中でも旅の空気を感じることができます。
5. 妄想旅ノートを書く
「もしも今、金沢にいたら…」 そんな空想をノートに書いてみるのもおすすめです。
想像の中で、好きな場所を自由に歩き、好きなものを食べ、好きな人と出会う。
それは、誰にも邪魔されない、あなただけの旅です。
旅は、心の中でもできる
旅に出られないことを「できない」と思うのではなく、 「今だからこそできる旅がある」と考えてみませんか。
心の中で、あの街を歩いてみる。
それは、誰にも見えないけれど、 とても豊かで、あたたかい旅なのです。