【妄想旅】海辺の古本屋と猫に出会う、静かな1泊2日モデルコース

はじめに：潮風と紙の匂いに誘われて

都会の喧騒に少し疲れたとき、ふと思い出すのは、あの海辺の町にある古本屋と猫のこと。今回は、そんな記憶のような妄想のような旅を、1泊2日でたどってみます。写真はありませんが、潮の香りと紙の手触りが、あなたの心に届きますように。

電車を降りると、潮の香りとカモメの声。駅から歩いて10分、海沿いの道を進むと、木造の小さな古本屋が見えてきます。看板には「灯台書房」と手書きの文字。扉の前には、白とグレーのぶち猫が丸くなっていました。

店内は、古い木の床がきしむ音と、ページをめくる音だけ。詩集、旅のエッセイ、昭和の漫画、そして誰かの手紙が挟まったままの文庫本。猫はいつの間にか足元に来て、静かに座っています。店主は「その子、名前は“しお”って言うんです」と笑いました。

今夜の宿は、海を見下ろす高台の民宿「潮見荘」。部屋の窓からは、夕焼けに染まる水平線。夕食は地元の魚を使った煮付けと、炊きたてのごはん。夜は波の音をBGMに、灯台書房で買った詩集を読みながら眠りにつきます。

朝5時、猫の鳴き声で目が覚めて、宿の縁側に出ると、しおがそこにいました。どうやらこの宿にも顔を出しているようです。朝食は焼き魚と味噌汁、そして手作りの梅干し。チェックアウトのあと、もう一度古本屋に立ち寄ると、しおはレジ横で丸くなっていました。

この旅は、実在するようでしない、でもどこかにありそうな妄想旅です。猫と古本屋、そして海の町。

心の中に残る風景は、きっと誰かの旅のきっかけになるはず。次はあなたが、しお（猫）に会えるかもしれません。