釧路から大沼まで、北海道の太平洋岸を巡る旅は、広大な自然と歴史、そして個性豊かな食文化を五感で楽しむことができます。
今回は、ガイドブックにはあまり載っていない、地元の人々が愛する穴場スポットや、旅の途中で立ち寄りたい施設を中心に、道東から道南への知られざる魅力を巡る旅をご案内します。
釧路・白糠・豊頃:湿原と海が育んだ食の文化
- 釧路市
- ガイドブックにないスポット: 釧路港を一望できる「米町公園」は、街の歴史を感じながら静かに景色を楽しめる穴場。旧釧路埼灯台を模した展望台からは、天気が良ければ摩周湖まで見渡せます。
- 飲食店: 釧路の地元民に愛される食堂「喰い処 鮭番屋」では、新鮮な海鮮を炉端焼きで楽しめます。予算は一人2,000円〜3,000円程度。
- 公共交通機関: 釧路市内の移動は、JR釧路駅を拠点にバスやタクシー、レンタカーを利用します。JR根室本線「釧路駅」から米町公園へは、バスと徒歩で約15分です。
- 白糠(しらぬか)
- 観光スポット: シソ焼酎「鍛高譚」の原料となるシソ畑や、夏にはシジミ採り、冬にはワカサギ釣りが楽しめる「馬主来(パシクル)自然公園」など、四季折々の自然体験ができます。
- 飲食店: 恋問館(道の駅しらぬか恋問)のレストランでは、白糠名物の柳だこを使用した「たこザンギ」や、新鮮な海の幸を味わうことができます。
- 豊頃(とよころ)
- 観光スポット: 「ハルニレの木」は、写真家たちが愛する絶景スポット。夏は緑豊かに、冬はダイヤモンドダストをまとい、息をのむ美しさです。公共交通機関でのアクセスは難しいため、JR豊頃駅からレンタカーまたはタクシーでの移動がおすすめです。
襟裳岬・帯広:風の町とスイーツの町
- 襟裳岬(えりもみさき)
- 観光スポット: 「襟裳岬 風の館」は、強風を体感できる人気施設ですが、岬の先端にある「百人浜(ひゃくにんはま)」は、波の音が響き渡る静かな海岸。アザラシが休息する姿が見られることもあります。
- 公共交通機関: JR様似駅から襟裳町営バスで約1時間。料金は片道1,000円程度。本数が少ないため、事前に時刻表を確認しましょう。
- 帯広市
- 観光スポット: 帯広には、旧安田銀行帯広支店や旧野口医院住宅など、昭和初期のレトロな建築物が点在しています。街歩きをしながら歴史を感じるのも一興です。
- 飲食店: 帯広の豚丼は有名ですが、地元民に人気の居酒屋「喰い処 酔心」では、新鮮な海の幸や十勝の食材を使った料理を堪能できます。予算は一人4,000円〜5,000円程度。
千歳・苫小牧:空の玄関口と港町の魅力
- 千歳市
- 日帰り入浴施設: 新千歳空港温泉は有名ですが、市内には地元の人に愛される「天然温泉 くるみの湯」や「祝梅温泉」があります。料金は400円台〜とリーズナブルで、アットホームな雰囲気が魅力です。
- 公共交通機関: 新千歳空港からJRやバスで市内へアクセスできます。
- 苫小牧市
- 飲食店: 日本一のホッキ貝水揚げ量を誇る苫小牧。港の市場にある「マルトマ食堂」や「ぷらっと食堂」では、新鮮なホッキ貝を使ったホッキカレーやホッキ丼を味わうことができます。予算は1,500円〜2,500円程度。
- 公共交通機関: JR苫小牧駅から港までは、徒歩またはバスでアクセス可能です。
登別・室蘭・洞爺湖:温泉と絶景の地
- 登別市
- 日帰り入浴施設: 多くのホテルが日帰り入浴を提供していますが、地元民が通う「夢元さぎり湯」は、大人500円という手頃な価格で多種の泉質を楽しめます。
- 公共交通機関: JR登別駅から登別温泉行きのバス(道南バス)に乗り換え。所要時間は約15分、料金は350円です。
- 室蘭市
- 飲食店: 室蘭名物の「室蘭やきとり」は、豚肉と玉ねぎを串に刺し、甘辛いタレでいただくご当地グルメ。地元民に愛される老舗「やきとりの一平」や「鳥辰」などで味わえます。予算は一人3,000円〜4,000円程度。
- 公共交通機関: JR室蘭駅や東室蘭駅が起点となります。焼き鳥店は駅周辺に多数あります。
- 洞爺湖
- 観光スポット: ガイドブックに載っている遊覧船や有珠山ロープウェイも良いですが、湖畔の静かな散策路を歩きながら、湖と山々が織りなす景色をゆっくりと眺めるのもおすすめです。
- 公共交通機関: JR洞爺駅から洞爺湖温泉行きのバス(道南バス)が便利です。所要時間は約20分、料金は340円です。
長万部・大沼:かにと自然の終着点
- 長万部(おしゃまんべ)
- 日帰り入浴施設: 「丸金旅館」では、飲泉と露天風呂が楽しめ、旅の疲れを癒すのに最適です。料金は要確認。
- 飲食店: 「かにめし本舗かなや」のかにめしは有名ですが、地元の人々は定食屋でホタテやイカなどの新鮮な海の幸を味わいます。
- 大沼(おおぬま)
- 観光スポット: 大沼国定公園の遊歩道も魅力的ですが、「日暮山展望台」からの眺めは格別です。大沼・小沼、そして雄大な駒ヶ岳を一望できます。
- 公共交通機関: JR大沼公園駅が起点。駅から各施設へは徒歩またはレンタサイクルがおすすめです。
まとめ
この旅は、有名な観光地を巡るだけでなく、それぞれの町に息づく文化や食、人々の温かさに触れることができるでしょう。
公共交通機関での移動は計画的に、レンタカー利用など休憩するときは、道中の景色もぜひお楽しみください。

